J・G・バラードとロック

 もう何日か経ってしまったが、柳下毅一郎さんがイベントでDJをした時のソング・リストが映画評論家緊張日記にのっていた。さすがにマニアックな選曲で、さらに「ラジオ・スターの悲劇」もバラードにインスパイアされた曲であることなど非常に勉強になった。で、もう少しメジャー系になるが自分の思うJ・G・バラード関連曲を二曲だけ。
①My Body The Car  Godley&Creme  アルバムBirds Of Preyに収録。体を車体に見立てたどちらかというとコミカルな歌詞はバラードの作風とちょい違うかもしれないけど、最後にはCrash!とくるし、相当意識していると思われる(持っているのはHistory Mix Vol.1...plusとセットになった2in1のCDだが、そこのAlan Robinsonの解説にも、この曲に関してバラードへの言及がある )。またGodley&Cremeには奇妙な楽器ギズモをフィーチャーしたコンセプト・アルバムConsequences(邦題 ギズモ・ファンタジア)があって、『沈んだ世界』のような水に沈む破滅を目前にした世界を舞台としている(あまりちゃんと歌詞を聞いていないから日本盤の解説の受け売りだが、離婚の話し合いの場面もあるようだ)。画面変わらないけど曲はこんな感じ。



②Always Crash In The Same Car   David Bowie 名盤Lowに収録。まあこれもCrashネタだろうと思っている。


 で、他にはどうかなと検索していたらこここっちこちらなどが見つかった(まだちゃんと読んではいないけど)。バラードの影響は幅広いジャンルに及んでいるのだと改めて認識。

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知らなかった

 SFマガジン9月号で、ロックなどで有名な音楽評論家萩原健太がミステリ・マガジン編集部にいたことや中島梓バンドのメンバーだったことを知る(難波弘之の追悼文)。へー。(ちなみに栗本薫はあまり読んでいません。そのうちミステリの方は読んでみようかな。)
 あと全く関係ないけど、TVをみていたら生茶のCMに懐かしのチープ・トリックの‘甘い罠(I Want You To Want Me)’が使われていたので記録。

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おおこれはスゴい!

 サウンドのつくりとか、オーディオとかに真剣に興味を持ったことがない音楽ファンなので、サウンド&レコーディングマガジンなんて立ち読みすらしたことなかったが(読者層はどういったあたりだろうか)。こちら(いつも楽しく読ませていただいてます)のリンクでスゴい特集を発見!ここ30年ぐらいのシンセ・ベースを軸にした音楽展覧会(アーティストの音楽の特徴というより、その有名楽曲のフレーズとなっているのはほんの少し残念だが、ここまでまとめて聴かせてくれるとそれぞれの特徴が非常に分かりやすい)。即座にサウンド&レコーディングマガジン7月号を買ってしまったよ。

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The Who @横浜アリーナ

 ジョン・エントウィッスルが好き、といってThe Who本体がどうでもいいということはないわけで、行って参りましたよ来日公演。
 メジャーな曲を中心に、最新の‘Endress Wire’からの曲を織り交ぜ、時折組曲っぽいつなぎあり、といった構成。ここ5年くらいで本格的にThe Whoを聴き始めたにわかファンのさあのうずでも十二分に楽しめるわかりやすいコンサートだった。
 まず思ったのは、ピート・タウンゼントは実に良い曲を書く人なんだなということ。トレードマークとなっているループを多用したシンセが特に耳に残るけど、曲自体もノリの良いポップなロック、ファンク・ロック、プログレっぽい転調の曲、カントリー風の曲などなどかなり多様なものがある。しかもどれもが理屈抜きに楽しめるような親しみやすい曲が多いのだ。最新作ではアコースティック・ギターが良い音を出していて、ライブでも素晴らしかった。
 さて次に、熱狂的なファンの大歓声の中でそんなザ・フーが何故これまで日本で評価されていなかったのかが少し不思議になった(だってデビューから40年以上だよ)。その辺りについてだが、自分の体験としてはこんな感じ。ザ・フーの名前を知ったのはアルバム‘It's hard’の頃。友人とも同意見だったのだが、楽器を壊すパフォーマンスや音楽的評価の高さから強面の印象が強かったザ・フーが出した当時の最新作でhardの文字が入っているのだからめちゃくちゃハードな内容を期待するも、実際はピコピコした音が入っていてなんだか肩透かし。その後My generationやSubstituteなど初期のストレートなロックは結構いけることは分かるも、ロック・オペラは歌詞の比重が高くよくわからん。といった流れで、いつのまにか時が過ぎたのである。そんな中でも‘Live at Leeds’は人気があったのだが。評価が遅れたことには、紹介する人達の問題(ロック評論家に理解者が多くなかった)、歌詞の比重の大きさ、バンドのイメージの定まらなさ(ピート・タウンゼントは色んなことが出来すぎる)などが挙げられるが、様々な原因が少しずつ絡み合ったということなのだろう。それでも曲を支持するファンが多ければ、ヒットはするはずで、日本のロック・ファンは(伊藤計劃さんが書いておられる様な)その時代の<コード>(例えば「ロックにおけるロックっぽさ」というコード)にとらわれてザ・フーを聴いていたので、彼らの面白さが分からなかったのかもしれない。まあイケメンはロジャー・ダルトリーだけ、というルックス面の要素も無視できないが。
 音楽そのものは大変素晴らしかったが、コンサートのセットは伝説のバンドにしては素っ気なく、使われた映像もそれほど凝ったものではなかった。意外とショーマンシップへのこだわりが薄いような感じもあり、その辺も日本のような離れた国での評価が遅れた理由かもしれない。でも、超メジャーバンドにしてそんな飾らないところも逆に良かったりもする。また友人が言っていたのは、これまで特定の層にブームを巻き起こしたことがなかったので客層に特徴があまりなく割と幅広い人達が来ているようだ、ということ。色んな層から少しずつザ・フーに引き寄せられて集まってきた、のだとするとそれもなかなか良い光景だと言えるかもしれない。(さすがに女性は少なかったと思うけど)

※今更だが追加 ベースはピノ・パラディーノで、2002年ジョン・エントウィッスルがツアー中に亡くなってしまった際にピートから電話をもらって急遽三日で代役として準備した、というとんでもない目に合った人である。その時のリハーサルで聴いたことがない曲ばかりで、時間がないので‘お願いだからリスト順に曲をいれたCDを下さい’とピートに繰り返し頼んだら‘お前の言ってんのは“Fu***ng Tommy”ってタイトルなんだよ!! ’とキレられた(レコードコレクターズ2008年3月号)という話があって、無茶苦茶笑える。なんとこの凄腕ベーシスト、イギリス生まれなのにそれまで‘Tommy’を全く聴いたことがなかったのである。いやー四半世紀以上前に東洋人の中学生(オレ)でも買っていたのにね。

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『小野瀬雅生のギタリスト大喰らい-炎のロック★ギタリスト大全-』

 これは面白い!70~80年代のロックを10代の頃聴いていたさあのうずのような人間にとって、本書はめったにないプレゼントのような本である。ノッサン本当にありがとう!同世代ネタが多く、クレイジーケンバンドのファンや1960年代生まれあたりのロックファンには特にオススメだけど、むしろ若いロックファンやクレイジーケンバンドをよく知らない人達にこそ読んでほしい一冊でもある。
 ご存じない方のために、著者の小野瀬雅生は1962年生まれのギタリスト。万能ギタリスト(例えばライヴで三味線を弾いていたのをみたことがある)である彼はクレイジーケンバンドの番頭(バンドの頭)、つまりサウンドの要ともいうべき存在。本書の内容は、総勢150人以上のギタリスト(大部分ロックでR&B系は少し)を自らの出会いなどを交えて解説するというものであるが、ミュージシャンが書いた本、しかも一風変わった食べ物たとえのスタイルから一見軽いタレント本のように見誤る人もいるかもしれないが、とんでもない。これは70~80年代のロック史を日本の洋楽ファンの視点から描いたユニークかつ実に貴重な一冊なのだ。何より素晴らしいのは、ロックファン(=リスナー)としてのてらいのない音楽履歴の告白とミュージシャンとしての豊富な経験からくる理論的かつ感覚的な解析が共存することである。これはなかなか難しいことだと思う。ファンに視点に寄り過ぎてしまうと説得力の薄い単なる礼賛に終わってしまってその対象に興味の薄い人や苦手とする人に良さが伝わらないし、ミュージシャンの視点が強すぎると楽器専門誌のプレイ解説になり楽器を演奏しない人に伝わらない。そこは小説も書く著者のこと、まことに見事な塩梅である。さらに、本書には従来幅広いロックファンに向けてまともに語られることの少なかった、スコーピオンズやUFOやランディ・ローズなどメタル系、いわゆる産業ロック系、ちょっと忘れられ気味80年代バンド(フィクス、メン・アット・ワーク)にも、ギタープレイヤーとしてきちんと解説をしているところもなかなか類書にないところだ(ブラック・サバスの評価が高いのも見逃せない)。それ以外にも万能ギタリストらしく、実に幅の広いジャンルが扱われているので、しつこいようだがいろんな音楽ファンに読んでほしい(さすがにロックに興味のない人にはアレだけど)。もちろんなつかしプロ野球ネタやB級グルメネタがらみのたとえも非常に楽しい味付けでファンにはたまらない。
 クレイジーケンバンドのファンであり、殊能将之のファンでもあるさあのうずは本書の存在をa day in the life of mercysnowで知ることになった(ノッサンの日記だってまめに読んでいるのに。日記でももっと派手な宣伝をしてもいいと思うのだが、控えめというかノッサンらしいというべきか)。で、殊能さまご指摘の通り、本書には索引がないという非常に残念な点がある。また曲については邦題のみが載っているものも多く、原題も併記して欲しかったところだ。これは、うがった見方かもしれないが、本を出す側が著者がミュージシャンなのでここまで本格的で充実した解説本を書くとは想定しておらず、細部まで詰める準備が足りなかったのではないかとも疑う。索引については殊能さまに甘えて、これを。ちなみに殊能さまによる反ロック★ギタリスト大全も近い世代としては心動かされるものがあるのだが、その中で実際にきちんと聴いたことがあるのはアート・リンゼイぐらい。コンサートで本当にあのゴリゴリした音が出てきたんで驚かされた(それとボサノヴァの静寂が行ったり来たりするんで頭がクラクラしたよ)。

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追憶のチープ・トリック

  わが青春の(ああなんと恥ずかしい響き!)SF映画は‘ブレードランナー’であった様に、わが青春のロック・バンドはチープ・トリックであった。毎号、ロックやソウルなどで特定のバンドやジャンルなどに焦点を当てて特集を組むスタイルのレコード・コレクターズは、その性質上ネタが次第に時代を下り、最近はわれわれ80年代音楽育ちの世代もターゲットに入っている。最新号の特集はそのチープ・トリックだ。実は近年ほとんど聴いていないのだが、元々音楽的にしっかりとした特集に組まれることの少ないバンドであり、レコード・コレクターズでの特集も最初で最後だろうと思い、記念に購入した。そしていろいろと思い出した。

 時は1980年代初頭、中学生だったさあのうずは兄弟の影響で洋楽聴き初め、FENのアメリカントップ40や小林克也のベストヒットUSA(BSデジタルでまだやっているのがおそろしい)といったチャート番組などで知った音楽を聴いていた。当初好きだったのはマイケル・ジャクソンやドナ・サマーといったディスコ音楽で、あとはメロウなクリストファー・クロスなどのAORであった(なぜか友人にはいまだに信じてもらえない)。次第にハードなロックも聴くようになり、その時発売されたのがアルバム‘One on one’。個性的でポップなメンバーのルックスも目を引いたし、シングルのIf you want my loveが素晴らしいロッカバラードで、アルバムを買ってみた。ハード・ロックとポップ・ロックのいいとこ取りでのサウンドにちょっと斜に構えたようなスタイルが見られ、直ぐに気に入ると同時にどうやら武道館のライブで日本の人気から火がついて本国でも有名になった珍しいグループであることを知った。
 当時ハードなロックを聴く中学男子がはまるのは、大御所のツェッペリンやディープ・パープル、あるいはモーターヘッドやジューダス・プリーストやアイアン・メイデンといったブリティッシュ・ヘヴィメタルであり、ミュージック・ライフを中心とした女子による萌え洋楽系路線とみなされていたチープ・トリックが好きであることはかなり気恥ずかしいことであった。特に洋楽萌え趣味があったわけでもないのだが(※注)。さらに厄介なことに、イケメンヴォーカルのロビン・ザンダーと人気を二分していたベーシストのトム・ピータソンが脱退した後で、バンドの人気が下降線をたどる時期だったのだ。それでも生来のひねくれ精神からしつこくチープ・トリックを応援していったのだ。しかしプロデューサーを代えサウンドを変えても人気は復活しない。‘Next position please’‘Standing on the edge’といった自虐的なタイトルが悲しい。ただ内容はそれほど悪くないように思えたので、ファンとしても頑張った。
 
前身のバンドのアルバム‘Fuse’、‘Saturday at midnight’の12inchシングル(ロイ・トーマス・ベイカーのremix)、一曲しか入っていないサントラ‘Spring Break’や‘Up The Creek’、ブートレグまで買った。コレクター気質が割合少ない自分が珍しく追いかけたバンドである。そしてついに1988年トム・ピーターソンが復帰してオリジナルの4人組に戻ったアルバム‘永遠の愛の炎(Lap of luxury)’で大復活を遂げたのだ!ただ・・・
 大復活を喜んださあのうずであったが、彼らの低迷期は少年には長すぎた。皮肉にも、その頃既にP-funkなどのファンクやワールドミュージックなどを聴くようになっていたので、ストレートなロックはむしろ敬遠気味で、自分にとって彼らの大復活は大きなニュースではなくなっていたのだ(なんと移り気な!)。結局彼らのライブを観たのは一度きり。確か1992年の渋谷公会堂(トム・ピーターソンにハッピー・バースデイを歌った記憶がある。どうにもならない‘The Doctor’を除いた全てのアルバムからの曲をやるという感動的なライブだった)。今回の武道館ライブも行っていないので、熱心なファンとはいえないかもしれない。個人的にはどうも肝心なところですれ違っている様な苦い想い出を感じるバンドなのだが、それなりに熱心に聴いてきたなのは間違いない。ともあれ追いかけたバンドが、完全に消えてしまったり、がっかりするような音楽性の変化をしたりせず、現役を続けているのは嬉しいことだ。近作も聴いてみようかな。

 ※注 ちなみこのチープ・トリック特集でP72にその萌え洋楽時代についてのエッセイが載っていてる。当時を知っているといっそう楽しめる。その後この萌え文化はカルチャー・クラブ、ワム!、デュラン・デュランといった第二次ブリティッシュ・インベイジョンの時代に引き継がれるのは周知の事実。あとこの特集にはがいじんタレントとしておなじみマーティン・フリードマンのインタビューも載っている。NHK教育の英語番組で‘Tonight it's you’のようなマイナーな曲を取り上げてる時点でファンだと気づくべきだった。
 
 
さてそのチープ・トリックの魅力はなんども言われてきているように<ハードでポップ>であることだ。70年代後半のパンク/ニューウェーヴあるいはヘヴィメタルと同時代的なハードっぽさとビートルズフリークらしいポップセンスが融合している。一方で、本号のレコード・コレクターズでミュージシャン/評論家の和久井光司氏が<B級っぽさ>があることに触れている。これは確かにそうで、多くの曲を手がけるリーダーのリック・ニールセンのセンスにはどことなく<ちゃっかり感>が漂う。上記のビートルズ以外にもザ・フーやジョン・レノンのソロ曲などから割合とあからさまな引用が見られるし、和久井氏指摘のようにかなりメジャーな曲をためらいもなくカヴァーするセンスもそうだ。またこれまた和久井氏指摘のように時折(企画倒れのような)ギクシャクした曲も見られる。ただ実験精神といった大げさな感じでの失敗にならずに、何か子供がおもちゃ箱をひっくり返したような憎めない味があるのがこのバンドの愛嬌なのだ。そしてそんなバンドだから、これまで音楽的に語られることが少なかったし、今後もそうなりにくいだろうと思う。ただ堅苦しく語られことなく、彼らの曲が生き続けるのなら、それこそ本望だろう。最後に中途半端なチープ・トリックファンであるさあのうずのアルバムベスト5を。

1.at 武道館 やっぱこれでしょう。フルのライブが収められた物が後で発売されているけど、元ので十分ですよ!もちろんファンにはフルじゃないと物足りないだろうけど、本人達の意向はともかく元の9曲は非常にバランスの取れた選曲だ。実は最初にはまったのは‘Ain't that a shame’。ファッツ・ドミノの原曲を聴いたときは違いにびっくりした。
2.蒼ざめたハイウェイ(In Color) 初期の4枚はどれもいいんだよね。全然ハード・ロックともいえないこれを2位にしたのは短い曲にいろいろな風味が混ざっている手つきが見事だから。意外とカントリーっぽいところもあったりする。
3.チープ・トリック 1997年の方じゃなくてファースト。よく処女作に全てがある、なんていうけどそんな感じ。荒っぽい音がいい。スピード感があったり、いきなりアコースティックだったり、切なかったり。ガレージっぽいのが好きな人に是非。
4.天国の罠(Heaven Tonight) 2.で確立した路線がさらに進化した感じ。これも‘Surrender’はじめ名曲ぞろい。‘Surrender’は韻をほとんど踏んでいない(珍しい)ヒット曲であることをピーター・バラカンが指摘していた。`Auf Wiedersehen'には“ハラキリ”“カミカゼ”という歌詞が出てくる、というのは有名な話だが、実際は“ハリカリ”“カマカジと言っているように聞こえる。
5.Busted 最後は復活盤から。あれ?‘永遠の愛の炎’じゃないの?確かにあれは大事なヒットアルバムだけど、カヴァーや他人によるあまりにもストレートすぎるバラードなどらしくなかった。その後ストレートでらしいロック・アルバムのこれが出て、ああ本当に復活したんだなーと実感し、愛聴したのだった(実際次の‘Woke Up With Monster’より良かったと思うんだけどな)。
番外:その他、リックの明るくマッドでカラフルなセンスが楽しい忘れちゃいけない名作‘Dream Police’、ちょいダンス音楽風味の
‘One On One’、トッド・ラングレン暴走でこじんまりした感じが意外と悪くない‘Next Position Please’、低迷続きなのに不思議と元気な‘Standing On The Edge’と失礼ながら浮き沈み自体が芸になっているホントに面白いバンドだ。基本的にはシングルが持ち味なので、まずはベスト盤からどうぞ。



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どうなんでしょ

  ちまたにエド・はるみの芸名が江戸アケミから来ているという噂があるが、さすがに違和感があるなあこれ。
 とりあえずじゃがたらと江戸アケミについてはこちら

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よく知らないが

 元レピッシュの上田現が亡くなったそうだ。正直よく知らないのだが、レピッシュのライブを観たことがある。フィッシュボーンが好きだったので、来日公演に行ったら、前座がレピッシュだったのだ。名前も音も初めてだった。フィッシュボーンに似た元気のよいスカバンドといった印象で、日本人バンドに対しやや冷やかな客の前で、健闘していた姿に好感を持ったのを覚えている。ここによると1986年のことか。それから少しずつTVKなどでみかけるようになった。
 その後時間は経過し、元ちとせの「ワダツミの木」がヒットしその作者がレピッシュのメンバーだったことを知り驚いた。
 というわけで全くファンともいえないようなさあのうずだが早い死は悲しい。今日は訃報の話が続いてしまったよ。

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ポリス@東京ドーム

 行ってきました。あまりにポリスらしいポリスであった。
 ドームのコンサートなんて10数年ぶりかしらん、と会場に向かい、アリーナ席位置の分かりにくさに困惑しながらも前座のFictionplaneの演奏中に到着。3人編成でレゲエ風味のロック、って演奏しっかりしてるけどポリスに似過ぎ?と思ったらイケメンのヴォーカルはスティングの息子とな。お父さんを尊敬してんだな素直な息子、とすっかりスティング側の気持ちになる(苦笑)。
  で、7時半過ぎに御本家登場!分厚い眼鏡と白髪で年をとったガリベン少年のようなスチュアート・コープランド、当然ながらしわの目立つお顔に変な黒いつなぎ(?)を着たアンディ・サマーズが出て来た時には本当に大丈夫か!?とちょっと心配になった。一曲目‘Message in a bottle’でスティングの歌声が響くとグッと気分が高まる。当然昔と同じハイトーンのヴォーカルという訳ではないが、ゆったりと味わいのある以前とはまた違った雰囲気だ。二曲目に‘SynchronicityⅡ’と緊密な曲がくる。基本的に以前と同じようなアレンジながらゆったりと処理をしている。ここらへんまではメンバーもまだ十分リラックスしていないようだったが、その後ヒット曲・有名曲連発で次第に熱を帯び、年齢を感じさせないパワフルさと三人編成ならではのスリリングな音作りで聴衆を圧倒していく。心配無用であった。
 何より驚くべきなのは最後まで打ち込みを最小限にして(1曲ぐらい?)、三人のみでのパフォーマンスを徹底して行ったことである。ご存じの年齢構成である中でのこの選択はともすれば蛮勇とも受け取られかねない。思えばポリスとはそんなバンドだった。音楽性を重視して選ばれたプロ意識の高い音楽集団である一方、パンクロックの大胆な意匠をアイディアに取り入れた思い切りの良さも特徴であった。約四半世紀後にそのまま三人編成のコンサートを行うなどというのはある意味無謀だが、様々な制約を乗り越え時に細部へのこだわりを捨てて大胆不敵にでかい会場に挑んだのだ。もちろんプロ意識の高い彼らのこと、シンクロニシティ当時に匹敵するパフォーマンスとこちらが思うようなその裏にはおそらくは周到な準備やアイディアもあったのだろう(勝算がなければコンサート自体を行わなかったと思う)。
 嫌々参加したのではないかと勘ぐっていたアンディたしか65歳が異様に元気なのに驚かされた。凄すぎ。スチュアートのドラムも素晴らしく随所に意欲的なアレンジを入れていたのに関心させられた。また当然ながら楽曲のよさスティングの歌のよさにもしびれた。
 シリアスでありながら遊び心のある、緊密なような好き勝手なような、実にポリスらしさに富んだ最高にイカしたコンサートであった。

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ポリス来日!

 1980年代前半で最も先鋭的かつポピュラリティを獲得できたのはポリスに他ならない。時代のうねりと音楽の変革が共振していた60~70年代という稀有な時代を共有できなかった80年代ロック世代にとってはそうした渇望感を埋めてくれる唯一の希望の星がポリスだったのだ。しかし1983年に最高傑作である‘シンクロニシティ’発表後あっけなく解散してしまう。さらにさらに日本のファンには残念なことに、その前には来日していながらも、ビデオでは‘シンクロニシティ’時のめちゃくちゃかっこいいライブ映像をみせられながらも、そのライブは日本では行われなかった。馬の鼻面の人参である。えんえんと悔しがっていたファンは多い。
 そのポリスが来日するのである(大丈夫なのか?アンディ・サマーズ65歳!)。そしてその日本公演に行くことになったのである。長年のファンなのに行けないという人には失礼だが、実はあきらめたこともあった。ところがチケットがまた迷い込んできたために、やっぱり行こうと決心した(仕事で行けなくなってしまったT氏すまん)。

 さてそのポリス。ちょっと歌詞カードを横目でみながら聴いてみることにした。その歌詞を書いているのはほとんどスティングで、有名な‘高校教師’にナボコフの名が登場することや‘見つめていたい’がストーカーネタであることや韻の踏み方が巧みであることなどは知っていたが、あらためてみるとその歌詞に英国人らしい文学趣味、怪奇風味が漂っていて興味深い。例えば‘シンクロニシティⅡ’。

 Many miles away something crawls from the slime 
 At the bottom of a dark Scottish lake


なんてなかなか雰囲気がある(スティングのソロには狼男ネタもある)。また同じ‘シンクロニシティⅡ’にレミングネタが入っていたとは初めて気づいた。妙に計算された歌詞世界とひけらかしが鼻につくという人もいるだろうが、ツカみが上手く深読みさせるという仕掛けはやっぱりさすがである。ポリスの中には‘ゴースト・イン・ザ・マシーン’といういかにもなタイトルのアルバムもあるし、ポール・ボウルズの話もスティングのインタビューには登場するらしい。機会をみてもうちょっと丁寧に歌詞を追ってみようかな。

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ジョン・エントウィッスルのDVD

 これまた久々のジョン・エントウィッスルネタである。レンタル屋で置いてあったんで思わず借りた。
 本編自体は正直なところ地味な内容である。子ども時代、ザ・フーの結成、独特の演奏スタイルの確立、キース・ムーンとの交際、ロジャー・ダルトリーとの確執、そしてキースの死による解散の危機、破天荒なロック生活を継続しての早すぎる死。その人柄や演奏スタイルの鍵(少年時代のトランペット経験が影響している、とピート)などは興味深いが、やや通りいっぺんなまとめ。テクニックについても本人が説明しきれないタイプだったせいか、すごいすごいという話ばかりで、いろんなミュージシャンに聞いている割には散漫な印象。個人的には、もうちょっとあの変な歌詞のセンスの原点を知りたかったなあ(知りたいのはオレだけ?)。まあ有名バンドとはいえ、脇役ポジションだとこの程度か(泣)。
 一方で、特典映像は結構楽しめる。プライヴェート画像では中世の鎧を集める趣味があったことや、家に等身大の全身骸骨(本物?)があったのは発見だったが、結局そのユニークなホラー趣味の原点は分からず。一般的にはライブ映像が必見だろう。ホラーアレンジの‘ボリス・ザ・スパイダー’が最高。全体の収録分は短いし細切れだけど、主役がジョンだからあのとんでもないベース・テクニックが結構アップで見られる。いやほんとにとんでもないのだよ。誰も解説できないのも無理ないかも。あれベースじゃないよ。なんか別のジョン用の特別の楽器。

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ジャガーズ

 ケーブルテレビに入っていて、適当に番組を観ることが多いのだが、チャンネルNECOでGSジャガーズのアイドル映画『進め!ジャガーズ 敵前上陸』を偶然目にすることになった。いやこれはかなりの珍作(1968年)。
 ジャガーズのことはよく知らない。‘君に会いたい’は有名で聴いたことがある(♪わっかさゆえ~くるしみ~わっかさゆえ~なあやみ~って曲)。
 映画の方は、一言でいえば、アイドルでミュージカルでドタバタで007でサイケでシュール。ちょっと『マジカル・ミステリー・ツアー』みたいな(一瞬『第三の男』のパロディも)。キャストはなかなかにぎやかで、てんぷくトリオ(三波伸介、戸塚睦夫、伊東四朗)、中村晃子、ザ・ピーナッツ、三遊亭円楽などなど。なぜかジャガーズをつけ狙う悪の帝王とジャガーズの戦いを描く、というどう考えても脱力コメディにしかならない話なのだが、驚くことに登場人物が死んだりする。硫黄島には終戦を知らない兵隊がいて、若い連中から終戦後の日本を説明される下りは明らかにブラックジョークである。どうもアイドル映画にかこつけて、監督が好きなことをやっている感がなくもない。
 そして何より強烈なのは若かりし円楽師匠(ゴージャス松野似!)のプレイボーイ怪演ぶりである。確実に夢に出てくる。
 GSということで、ふと鈴木いづみがジャガーズをどう評していたのか気になって手持ちを当たってみたがちょっと分からず。ただ、「なんと、恋のサイケデリック!」にはその‘君に会いたい’が登場しているので、基本的には好きだったんだろうと思われる(インタビューもしていた様子)。さらについでに鈴木いづみのエッセイを読んでみたら、GSだけじゃなくて色々な音楽について言及していてなかなか面白い。

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知らなかったなあ

 最近Canを聴いているのだが、こんなにグルーヴ感のある音楽をやっていたのか。
 なんとなく前衛ロックのグループという印象があって、ノイズとか不協和音とかだろうと勝手に先入観を持っていたが全然違う!‘Tago Mago’と‘Future Days’を聴いてみたのだが、ふにゃふにゃ浮遊感漂うある種の快感を伴うビートに、自由なヴォーカルが踊り、何とも楽しい。ロックのようなテクノのようなアンビエントのようなファンクのようなとらえどころのないリズム。1970年代にこんなユニークなことをやっていたとはすげえ。<オルタナの先祖>みたいの言われ方もする、時代を越えた新しさを持っているバンドだが、まあそんなことよりとにかく気持ち良いノリなのだ。特に‘Future Days’が聴きやすい(関係ないが、‘Tago Mago’のジャケットって脳内メーカーだな)。
 何でも先入観抜きに聴いてみないとなって思ったけど、さすがに1回くらいは以前に聴いことあるような気もするんだよね。そういえばなんだかコワそうなジャケットのアルバムもあったし、近づき難い感があったが、結局はこちらの耳が鈍かったのだろう。
 実はこのCanのCD、某有名レンタルショップで借りたのだ。普通に考えるとCanを置いてあるだけでなかなか凄いことだよ。こうしてこちらも新たな発見があったし。しかしながら・・・

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ああ実に惜しい!ダじゃなくてダですよ!(ありがちな間違いとは思われるが・・・)

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山口小夜子

  ファッションなんて全く縁のない当ブログだが。山口小夜子といえば

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 このスティーリーダンの‘Aja’のジャケットが思い浮かぶ。初めて買ったレコード。フュージョンなんかさっぱり分からんのに、友人に無理やり買わされた。おかげで独特な音楽趣味になったよ。ジャケットも内容と同じように時代を超えたスタイシッリュさが感じられる素晴らしい出来。今夜は‘Aja’を自分に無理やり買わせた友人のIと山口小夜子さんに感謝といこう。
 

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凄いぞ!ブライアン・メイ

 いつも面白いネタを届けてくれる冬樹蛉さんの日記であるが、これは朗報です!
 Another one writes about the dust.とはニクいですな。ブライアン・メイといえばソロでのビデオで特撮画像を使いクィーン本体のSFオタク担当であることを露呈したことが思い出される、SFと縁の深い人物である。そんな彼にこんな(本気な)バックボーンがあったとは、不勉強で知らず。分野もテーマも渋いねー。正式に博士になるといいなあ。

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ゲイマンの趣味

 SFマガジン8月号のニール・ゲイマン「パーティで女の子に話しかけるには」だけ小品なので読む。内容は短さに比例した軽いものだが、ロックの趣味が垣間見えてちょっと面白かった。なるほどやっぱりパンクは好きなのね(アドヴァーツって知らなかったなあ)。デビッド・ボウイはOK、ELOや10ccはもう一つで、ロキシー・ミュージックは全然といった感じかな。たまたま"Fragile Things"を持っていたので著者による解説を読むと、舞台は1977年とのこと。するとボウイに関してはLow Heroesあたりとみる。Ziggy Stardustの線もあるかな

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『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』 ブライアン・W・オールディス

 ええ、そりゃこの紹介文を読んだときから待ってましたとも!
オールディスのポップ音楽もので、‘Tommy'あたりが元ネタといわれれば当ブログとしては見逃せるはずはなし。
 英国の片田舎に生まれた結合双生児がポップスターに成り上がって、愛憎から破滅していく話を、疑似ノンフィクションとして関係者のコメントという形式で描く。基本的にはそれ以上の話ではなく、軽めの作品。でも、コメント形式が全体にマッチしていて、特に彼等が挫折してからのホラー幻想風味あふれる後半が素晴らしく、SFとロックの双方に興味のある人は必読。前身となるバンドの危機からグループの再編、売らんかなの会社、グループに影響を与える女などなど具体的な人物を思い浮かべるロックファンも多いだろう。月並みだけどオールディスってめちゃくちゃデキる作家だなあ。イアン・ポロックの不思議なイラストも印象的。出版の経緯からしても幻になりかけた一作で、またまた柳下毅一郎氏のイイ仕事振りに頭が下がる。それにしてもPierrot Publishingのイラストレイテッド・ブックスで刊行予定だったという<ムアコックのジェリー・コーネリアスもの、ホークウィンドのレコードつき>って非常に気になるなあ(ホントはホークウィンドって聴いたことないんだけどね、失礼ながら)。
あとはアレかな、オールディスももう80歳越えたってのもちょっとした感慨かも。

※追記 SFマガジン5月号 マイケル・ビショップ「合作」が全く同じネタでちょっとどう考えてよいか分からん。書かれた順番ではオールディスが先ということなのだが。訳されたタイミングが近い一方で連動した気配もないし。やはり謎。

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‘死後硬直’ ジョン・エントウィッスル

 ラテン語で死後硬直を意味するバンド名、どうやら別のスラッシュメタルバンドにもあるようだが、実にジョン・エントウィッスルらしいネーミングである。ジャケットも棺桶だし。このアルバムの音楽コンセプトはロックンロール。他のアルバムでも割合親しみやすい曲の多い人だが、これはど真ん中のロックンロールばかりで、あの‘ハウンド・ドッグ’まである。それでも歌詞は相変わらずバンド名にふさわしいようなネタばかりなのがおかしい。ホントにその手のネタがお好きなようである。例えばめちゃくちゃ直球のロックンロール賛歌なのに見逃せない‘I want to feel like I'm still alive’の一節。または3曲目の‘Do The Tangle’。タイトルから洋楽を聴きなれた人ならダンスの歌と分かるが、そのダンスは新しいロープを使ったダンスで・・・。いかにもなオチがつく(日本盤解説ではその辺りが触れられていた)。7曲目の‘Roller Skate Kate’はローラースケートをやっていた彼女が交通事故にあって死んだという歌。感傷的といえなくもない古典的ロッカバラードなのだが後半のSEはどういうつもりなんだか。とにかくこの作品も、らしい一作である。
 ところで以前に聴いたことがあったかどうか記憶があやふやだった、2曲目の‘Mr. Bassman’はJOHNNY CYMBALという人の1963年のヒット曲と知った。そうそう、ドナルドダックダンシンヤさんのアレ!

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ジョン・エントウィッスル

 ロックネタ。

 最近気になるのはジョン・エントウィッスル。ザ・フーの技巧派ベーシスト。
 確かに‘My Generation’のベースは強烈だが、正直なところテクニックうんぬんはよく分からない。
 興味深いのは彼の作る曲である。ザ・フーのベストで‘My Wife’を聴いたときは、口ずさみやすい楽しい曲に「やばい!怒った嫁さんがやってくるぞ!ジュードーのクロオビ、マシンガンを用意しろ!飛行機もな!」みたいな歌詞がのっていて大笑いした(恐妻家ネタの芸能人などを思い浮かべるとよい)。いやあピート・タウンゼントにもなかなかイイ笑いのセンスがあるではないか、と大きな勘違いをしてしまった。一番地味そうにしている人の曲だと気づいたのは最近のこと。
 棺桶やら骸骨やらX線フィルムをジャケットに使う異様なセンスは、死やもうひとつの世界に惹かれ続けたジョン・エントウィッスルの歌詞にもあらわれている。最近聴いたのは彼の2枚目のソロ“風の詩”。どの曲も聴きやすく、歌詞はあくまでも変(いや、ほんとに全曲変だ!)。ジャケットは不思議の国のアリス風。よく怪奇趣味とも評されているようだが、少し違うと思う。いわば《奇妙な味》なのである。幻想的な素材を扱いながら、暗い感じがあまりしないのだ。例えば本作の‘Nightmare’、「悪夢から醒めないんだ・・・」などといいながら夢から戻ってくるのが何だか嫌そうにも聞こえる。ソロ一枚目“Smash Your Head Against the Wall”の‘I Believe In Everything’は「サンタ、キングコング、ドワーフ、魔女、ゴブリン、グール、輪廻転生、何だって信じるさ!」という人を食った歌詞で、確かに怪奇趣味といえなくもないが、曲の転調の遊び(トナカイさん!)が入って、どちらかというと〈夜は墓場で運動会♪〉に近いのどかさだ。またそうした幻想風味の歌詞ばかりではなく、犯罪者やアルコール依存症や変質者といった素材も扱われる。そう、やはり〈奇妙な味〉といいたくなるのだ(当ブログ管理人としては)。
 またこの“風の詩”にはジミー・マッカロクも参加している。Wingsの“Venus and Mars”の‘Medicine Jar’の人である。この軽快な名曲、「薬のビンに手を突っ込んだままじゃだめだよ」という内容なのだが、当のジミーが1979年にドラッグで死亡。そして2002年、ジョンもまたドラッグで帰らぬ人となってしまうのである。

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