おおこれはスゴい!

 サウンドのつくりとか、オーディオとかに真剣に興味を持ったことがない音楽ファンなので、サウンド&レコーディングマガジンなんて立ち読みすらしたことなかったが(読者層はどういったあたりだろうか)。こちら(いつも楽しく読ませていただいてます)のリンクでスゴい特集を発見!ここ30年ぐらいのシンセ・ベースを軸にした音楽展覧会(アーティストの音楽の特徴というより、その有名楽曲のフレーズとなっているのはほんの少し残念だが、ここまでまとめて聴かせてくれるとそれぞれの特徴が非常に分かりやすい)。即座にサウンド&レコーディングマガジン7月号を買ってしまったよ。

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‘ベスト・イン・スリー・ディグリーズ ’

 昨年ノーマン・ジェイのコンピレーションを買ってから、突然フィリー・ソウルに目覚めてしまい、その後‘ラヴ・トレイン:フィリー・ソウルの全て ’を購入して、中古のベスト盤を中心だがさらに様々なグループのCDを買い続けた。その中でビリー・ポールとスタイリスティックスが特に良かったのだが、今回紹介するのは一種独特なポジションにいるグループである。名前はものまね王座決定戦でビジーフォーの得意ネタとして記憶される(古!)ような、歌謡系洋楽というか本国より日本で人気のある、どちらかといえば洋楽のファンには軽んじられやすいタイプである。実際はNo.1ヒットの‘ソウル・トレインのテーマ’もあるし、相当有名なはずなのだが、ソウルフルというよりは清潔感の漂う明るい雰囲気とストリングスを多用した親しみやすい音づくりが日本人の好みにばっちりとはまって、あたかも日本のミュージシャンのような幅広い人気を得たようだ。とにかくいろいろと面白い曲があったので、このベスト・アルバムから一部紹介(数字はCDのトラックNo.。情報はすべてCDの解説から)。
2 Dirty Ol'Man(荒野のならず者) 邦題がイイです。オリジナル・メンバーは高校時代からという彼女らはなかなか売れず、ようやく小ヒットを飛ばしたあとフィリー・ソウルの立役者ギャンブル&ハフのフィラデルフィア・インターナショナルに移って、この曲がオランダ1位になりヨーロッパ進出の足掛かりとなったらしい。ストリングスとコーラスが妙に歌謡曲然としているのは、きっとこうしたサウンドをベースにしてつくられた歌謡曲をその後に聴いているためだろうが実に不思議な感じにとらわれる。
4.When Will I See You Again(天使のささやき) 74年6月第3回東京音楽祭金賞受賞作。ほどよいお色気(またまた古!)の漂う感じの曲で、ディープなソウル・ファンが難癖をつけそうだが、このぬるさがいいんですよ。
7.Midnight Train 松本隆作詞、細野晴臣作曲、矢野誠編曲、ティン・パン・アレイの演奏ということで、まんま日本のミュージシャンの曲。まあスリー・ディグリーズは妙に歌謡曲要素が強いとは思うが、元々フィリー・ソウルはストリングスを多用したメロウな味が特徴なので、結構歌謡曲っぽいものも目立つ。というわけで、解説を読んでから、日本っぽい感じがある気もしてきたが、実はあまりほかの曲と差は感じていなかった。ティン・パン・アレイ、やるな。
9.Nigai Namida(苦い涙) このCDのハイライトがやってまいりました!こちらは安井かずみ作詞、筒美京平作曲、深町純編曲。ポリス、クイーン、ベンフォールズファイヴと日本語の歌詞を歌ったミュージシャンたちが思い浮かぶが、これには敵わないだろう。典型的な恨み節の日本語歌詞を歌わせてしまう倒錯ぶりに卒倒しそうだ。オンナガシメス アイノヤリトリ ミワケツククセニ ジンセイカケテ ガケニタタセテ テヲハナスツモリ とくるんだからたまりません。矢島美容室はこの辺りがヒントだろうなあ。
12.La Chanson Populaire(恋はシャンソン) シャンソン歌手クロード・フランソワのカヴァーらしい。大仰なストリングスで素晴しくインチキ臭さい似非シャンソン。日本ではこの前の「苦い涙」のあとのシングルがこの曲だったらしい。ソウル・グループとは思えぬ展開ぶりが素晴らしすぎる。
13.Do It 今度はへヴィ・ファンクに挑戦、といってもいいような曲だが日本レコーディングためか偶然かあまりにルパン。
 むしろ最初から本国で売れなかったためにユニークな道を歩むことになったのかもしれない。様々な曲をやらされることになったのも爆発的な個性がないせいということかもしれない。歌い方も強烈に迫ってくる感じではなく、割合あっさりしていて日本人にはかえって聴きやすかったのも良かったのだろう。グループとしては息が長く、なんと7月に来日公演もある。ちょっと驚いたのは、1985年にストック/エイトキン/ウォーターマン(80年代ディスコサウンドを一手に担っていたプロデューサー・チーム。嗚呼PWL!
)とのシングルもあること。Youtubeにもあった。

 何というかどうしてもアクも個性も弱い感じなのだが、逆に力まず何でもこなせちゃうようなところもあって、この曲も普通にサウンドと馴染んでいるのが不思議だ。控え目な職人技の凄さというか、そんなところもやっぱり日本受けする感じだったり。何はともあれなかなか楽しいグループである。

※追記 ビジーフォーの物まねの方も発見。 

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メリークリスマス

 メリークリスマス、ということで一曲。

 最近なぜか突然はまって聴きまくりCameoのSparkle。この手のバラードは癖になると止まらず何度も何度も聴いてしまうのだ。

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‘ウィズ’TV視聴

 ダイアナ・ロスにマイケル・ジャクソンの映画とかいうと、なんだかなあという感じがして食指がわかない(追記:わかない、じゃなくて、動かない、が正しいんだろうなあ) というのが正直なところで、ファンには失礼だが、納得いただける方も多いに違いない(実際二人がはしゃぐシーンはどうにも薄ら寒い空気が漂う。ああホントに両方のファンの方ごめんなさい)。一昨日たまたまNHK-BSでやっていた映画‘ウィズ’。いやいや何でもみてみるものだ。大傑作とはいえないけれど、全体としてはなかなか面白い興味深い作品である。
 作品はソウル・ミュージック(主にモータウン)仕立ての‘オズの魔法使い’というコンセプトで、監督は‘十二人の怒れる男’の名匠シドニー・ルメット。実際のところ評価と興行成績はこんな感じで、一般的には失敗作。いわく「その十年間での最大の失敗作の一つ」とか「これでダイアナ・ロスの映画キャリアはおしまい」とか「子供には怖すぎて、大人には馬鹿馬鹿しすぎる」だとか散々な言われようである。まあたしかにダイアナ・ロスに主演としてのオーラは感じられないのはまずは致命的。随分制作費のかかった豪華な作品で、結局回収できなかったようだ。しかしこれが肩の力を抜いてみると結構楽しめる映画なのだ。まずクィンシー・ジョーンズの音楽が素晴らしい。最近iPODで70年代のソウル/R&Bばかり聴いているので、まさにツボ。例えばPoppy Girls ThemeなんかオージェイズのUse Ta Be My Girlによく似ていて、ニヤリとさせられる。出ている人達も舞台上がりが多いのか、皆歌唱力がある。その一方で、本来正統派ミュージカルである‘オズの魔法使い’をブラック・ミュージックに転換させたため、細部までアフロアメリカンテイストになるところが最高におかしい(大魔王ウィズの造形には爆笑)。やたらと大勢のダンサーがカラフルな舞台装置の上で派手な衣装で踊ったり金のかかってそうな場面がある一方で、さまよう異世界が基本ニューヨークなので、地下鉄駅でゴミ箱が襲ってくるとかチープなテイストが目立つのも嬉しい(ラストの大魔王の話もアレだからな~)。もちろん当時ハタチのマイケルのはじけるダンスはファンの方へ大きなプレゼントになるだろう。
 評判が悪かったのは舞台版のウィズとの比較があったせいだとも考えられる(舞台版の方が先で、そちらはブロードウェイでロング・ランとなりトニー賞も獲得)。結局のところ映画自体、独特のセンスではあるので(上記の「子供には・・・」の下りは確かに納得である)、みる人を選ぶタイプの映画だが、見落としているソウル/R&Bファンはこの怪作を是非ともご賞味あれ。

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知らなかったよ

 スライが表紙で横山剣インタビューが載っていたので今月号のミュージック・マガジンを買ったんだけど、知らなかったことが二つ。
・スライが来日公演を行う。いやあ時々音楽賞の授賞式に出てたりしてたのは知ってたけど。来日とは!なるほど、だから表紙がスライなのか(<気づくの遅!最近年齢のせいか新しい音楽情報が入らない感じになってきちゃったなあ・・・)。単独東京公演のチケットは完売で後の祭りでございました(最近の音楽活動とかこれまでの経緯からみる元気度からしてこれが最初で最後の公演だろう)。
・アイザック・ヘイズが死んでいた。まあ‘シャフト’しかもってないんですが。でも‘シャフト’は名盤で最近でもiPODに入れて聴いてたんでちょっと哀しいです。
 ちなみに剣さんインタビューには横浜の地図が載っていて、(ちょっとだが)出てくる横浜ローカルのポップ音楽史が興味深い。それを読んで、横浜市に(わりとながく)住んでたことがあるけど、あの辺りに住んでいたわけではないし、オレは横浜のことはまだまだよく知ってはいないのだなあと思った。

スライとはファンク史上JBの次にエラい人です。‘スタンド’‘暴動’といった名盤があります。

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‘ドリームガールズ’DVD視聴

 NHK-BSでエディ・マーフィのインタビューをやっていて、劇場で見逃した‘ドリームガールズ’を急に観たくなったので(それにしてもこのアクターズ・スタジオ・インタビュー、有名俳優一人にじっくりと時間をかけてなかなか面白いのだが、司会のジェームズ・リプトンの質問内容や間が日本のインタビュー番組と随分違ってアメリカ的というかそういうところばかりに目がいってしまう)。
 で、その‘ドリームガールズ’。
 内容はご存知の方も多いだろうが、舞台は1960年ごろ夢見る売れないコーラスグループの三人娘がチャンスをつかみかける中、成功を目指してリードヴォーカルの交代が命じられるという話。
 ど真ん中正攻法なミュージカル映画で逆にびっくりしたくらい。そんな古風ともいえるスタイルを巧くショーアップしているのが時代考証を踏まえた完成度の高い音楽と60~70年代(風だけど実はほどよく現代風に改変された)ファッションや舞台(やらアルバムジャケットやら番組ロゴやら)。話としてちょっと甘めだし、いろんなソウル/R&B音楽の流れの多くをジミー(エディ・マーフィ)に担わせ過ぎて彼の個性が逆にぼやけている(どんなミュージシャンか印象が定まらない)点は気になるが、整合性よりこの時代の音楽を聴かせて見せる映画なのだからこれでいいのだろう。エディ・マーフィー自身は本職のミュージシャンとはいえないのに芸達者ぶりで見せてしまうのがらしいし。劇中使われた楽曲のその時代っぽさは当然素晴らしいし、ジミーのファンキーな楽曲がパクられて白人良家子女向けふぬけポップスに変わるところとか、再起をかけたエフィー(ジェニファー・ハドソン)のシンガーソングライター風のバラードがあっさりメジャー向けの品のないディスコアレンジに変えられてしまうところなど音楽スタッフの芸の細かさには脱帽。
 事前にはよく知らなかったのだが(やっぱり)実話を元にしているようだ(‘ドリームガールズ’は元々舞台で演じられていたので、このエピソードは以前からよく知られたものなのだろう)。ディーナ(ビヨンセ)がダイアナ・ロスというわけ。エフィーのモデルになったフローレンス・バラードは32歳で不遇の死を遂げたというから、いかにも芸能界らしいシビアな話である。さらにビヨンセ自身がデスティニーズ・チャイルドでメンバー脱退(追い出し?)を経験しているのも意味深だし、ジェニファー・ハドソンの出世作になっていることも合わせて色んな意味で話題豊富な作品である。
 さてちょっとフローレンスが可哀想なので一曲。この辺を読むと、なかなか泣ける(敗者のうらみからの発言も含まれているのだろうが)。フローレンスのCDも出ている。→The Supreme




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DVD‘永遠のモータウン’

   unsung hero 直訳すると「栄誉を受けることのない英雄」といったところ。「縁の下の力持ち」なんて訳もある(現在読んでいる『生物と無生物のあいだ 』にこの訳が載っていた)。
 そのunsug heroesの映画である。幾多の大ヒットを飛ばした黄金期のモータウン。そこにはスモーキー・ロビンソン、フォー・トップス、シュープリームス、マーヴィン・ゲイ、スティービー・ワンダーなどなど輝けるスターが勢揃いしていた。しかし、その裏側で一日に3曲は当たり前というペースでほとんどのヒット作をものにしていたのは、バックバンドのメンバー達だったのだ!
  、当時の曲作りの様子やメンバーの驚異的なプレイぶりやツアーでのハードで愉快なエピソードといったドキュメンタリーと、ブーツィー(!!)、チャカ・カーンなど豪華なメンバーで繰り広げられるモータウン・メドレーによるライブとが交互に登場するといった構成。
 表舞台に出られなかった彼らも少しずつ注目される中、1960年代終盤にモータウンはデトロイトからLAに移り、メンバーは離ればなれ、中核メンバーの一部はアルコールなどで死亡する。あまりに有名な‘マイ・ガール’のイントロを発明した故ロバート・ホワイトが、レストランで名乗り出かけたのに止めてしまうというエピソードが切ない。
 それでも彼らの友情は消えない。一部に白人もいたメンバーたちは人種差別の荒波も越えようやく再評価され満場の拍手の中、ライブを行う!

 と、涙ながらにこのDVDを見終えたが、ここでなんとも言いようのないオチがつく。
 実はLA録音はもっと早期に始まっており、このDVD等で神格化されているジェイムズ・ジェマーソンによるプレイといわれているものの相当数(しかも革新的な名曲の多く)が白人女性ベーシストのキャロル・ケイによるものだというのだ!つまりファンク・ブラザーズによるヒット曲への貢献は限定されたものだったのだ!またまたびっくり!(出典はココ。1999年だから、結構前から知る人ぞ知る話だったのだなあ)
 どうやらキャロル・ケイが白人で女性だったことが、‘黒人が作り上げた会社による、黒人も含めた幅広い層に受け入れられるポップ・ミュージック’という一種独特のイメージを狙っていたモータウンの戦略にそぐわず陰に追いやられたということらしい。それこそまさにstanding in the shadow of motown(DVDの原題)だ。さらに彼女自身はファンク・ブラザーズのモータウンでの貢献を認めているらしいし、陰になっていることより、彼女自身の誹謗中傷を目的としたサイトがあることに立腹していたようだ。うーんなにやら信憑性がありそうな気もする。(このサイトにはさらにはドアーズの裏話なども訳出されている。確かにセッション・ミュージシャンからみるとロックやポップ・ミュージックの歴史も随分違うのだろうなあ。ちなみにザッパはやっぱりちゃんとした人っぽいエピソードがあるのがなんかいい感じだ)
 
 とたんに歯切れが悪くなってしまうが、真実はどうにしろこのDVDはライブとしてとても楽しい。ここには<バックバンドの再評価>というネタにかこつけて、モータウン好きの連中が同窓会を兼ねたお祭りをやっているノリがあるからだろう。これから謎も込みで、もっとモータウン・サウンドを聴いてみたくなった。
 

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昨日買ったCD

 リアルショップに出かけて昨日買ったCD。
 まずはメイヴィス・ステイプルズの新作。68歳だけど衰え知らず!相変わらず迫力の歌声である。ライ・クーダープロデュースということで、バックの方も必要以上に華美ではなく多彩な音作りになっている。ゴスペルシンガーでありながらザ・バンドの‘The Weight’での名唱でオールドロックファンに知られ、80年代末から90年代初頭にはプリンスとのコラボレーションに取り組んだ冒険心はいまだ健在。やっぱ頼りになる!感のある人なのだ。

 
 
 もう一方は一時ちょっとだけ聴いていたジョニー“ギター”ワトソン。こちらはブルーズギタリストなのに、あふれるほどのファンク風味で、ノリノリサウンドを演奏し続けていた人。1978年作のようだが、remasterとして昨年発売されていた様子。超安売りしていたのと、宇宙テイストあふれるジャケットに惹かれて購入。そういえば横浜のライブ中に亡くなったなんて話もあったなあ。フランク・ザッパのアルバムにも参加してたりしたっけ。内容は明朗快活なファンキーサウンドで、独特の残響の少ないギターが炸裂するといった内容で、そうそうこんな感じだったと大満足。いわゆるブラックミュージックでメロウではない、といった表現で十分なぐらいでそれ以上のジャンル分けはほとんど意味がないと思った。めちゃくちゃP-funkに近い瞬間だってあるし。とにかくどちらもなかなか良かった。

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JBがああ!!

逝くなんてええ!!!
まさかまさかそんな日が来るとは・・・。何があっても死なない。そんな怪物だったはずじゃないのか。これまたクリスマスの日だとはなあ。

巨大な山脈のような作品群ゆえ、全然登れていない山がまだまだある。
取りあえず個人的に好きな5曲
1.It's a Man's Man's Man's World 強力なバラード。汗が飛び散ってきそうだ。
2.Get Up I Feel Like Being A Sex Machine 定番中の定番だけど、やっぱスゴイ。
3.Licking Stick  クールに盛り上げるコーラスが素晴らしい。60年代にしてこの感覚!
4.Hot Pants とぼけた味わいと軽やかな抑揚のつけ方が最高。
5.Gravity  アフリカバンバータとのアルバムからJBに入ったんで、この辺りは思い出。

いやまだ信じられないけど・・・ご冥福をお祈りします

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