ネタかぶる

 まだ途中だけどやっぱり『ゴーレム100』面白い。いかにもベスターらしいネタ満載で。
 ところで『ゴーレム100』は<欲求不満有閑マダム(中略)が戯れに降霊術に手を染める>話(山形さんの解説より)から始まるが昨日TVで観た映画が偶然同じ冒頭だったので驚く。その映画はタランティーノの‘フォールームス’(ムービープラスで視聴。地元のケーブルテレビに入っているのです)。タランティーノも不勉強であまり観ていなくて‘フォールームス’がこんな話だとは知らんかった。オチへのリズム、選曲といったあたりに凄味を感じた。

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『コンピュータ・コネクション』

 他の長編より軽いとの漠然とした印象を事前に持っていたが、意外とアイディアの密度が濃い。実は一読で十分に消化しきれていないが、コンピュータの反乱に立ち向かうヒーローとそのラブロマンスといった図式がふまえられていてらしい仕上がり。一般的に言われているように、情念の部分が『虎よ、虎よ』に比べ淡白なので地味な扱いなのでしょうね。主人公が有能な人物をいったん殺してから不死人にするという悪漢であり、他に萌え系キャラのフィー5(あらゆる人の想念を抽出することが出来る)、ネアンデルタールの不死人ヒックーヘック‐ホック(その発音しか出来ない?)、ジェシー(キリスト)、ネモ船長、アメリカインディアンのファミリー、帰納法の天才ヒレル、マフィアのカポ・リップなどなどコミック関連の仕事でならしたベスターならではの強烈なキャラクターが楽しい。得意のタイポグラフィックもライトに組み込まれており、再刊の噂が実現するのを熱望。

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ゴーレム降臨トークショーat神田三省堂

 いやあ参加してよかったあ!
 まず滝本誠さんと柳下毅一郎さんが壇上に登場。ウォーミングアップにリンチとベスターの共通点について。キーワードは“フーガ”だと。次に滝本さんのSFとの出会いの頃の話。ディックの本を持っていると女の子に逆ナンされるという夢のような時代だったようだ
(世代的には記憶があるはずだが、何者かに記憶が消されているらしく、どうにも思い出せない)。また第一期奇想天外やら滝本さん幻のSFライター時代の話も(あの雑誌‘クロワッサン’でディックがマジ紹介されていたなんて!)。さらに滝本さんのイメージ喚起力はパワーを増し続け、世界SF全集『虎よ、虎よ』についているカビの形から話が暴走し始める。
 そうこうしている内に、今度は壇上に訳者の渡辺佐智江さんが若島正さんといっしょにご降臨!このお方がこの『ゴーレム
100』やあの血みどろ臓物ハイスクール』を訳した方なのだ!(ごく当たり前だがご本人はいたって上品な佇まいの方であった)。若島さんと柳下さんはベスターの洒落た会話のセンスについて話されていた。またラブロマンスがベースになっていることや博覧強記ぶりが意外と正確であることが特徴として挙げられていた。柳下さんが「ベスターは(ディックなどと違って)正気の人」「SFになるとタイポグラフィに凝る。ベスターのSFのとらえ方なのかもしれない」と言っておられたのが興味深かった。最後には山形浩生さんまで壇上に。世にもスゴいファイブショットを拝見できた。
  それにしても渡辺さんの話が印象的で、『ゴーレム100』に関しては集中して訳す方法をとり、45日でほとんどを仕上げたようだ(これには山形さんも驚いていた)。そしてチェスに関しての質問は若島さんに(なるほど)。特におかしかったのは、

  柳下さん「(渡辺さんが)訳すにあたって一番苦労されたところは」
  渡辺さん「あの訳すときに、とっとこハム太郎のテーマがずっと頭から離れなくて」
  一同 ?????????

いやあ爆笑でした。
 最後のまとめで渡辺さんは「訳されるのを待っている人達がいる、そんな仕事を今回初めて経験しました。それだけでもベスターは幸せな作家だなあと思いました。」と。
『ゴーレム100』に渡辺さんのGサインを頂き、柳下さんにサインを頂き、実りの多い夕べでした。
 さてまずは読みかけの『コンピュータ・コネクション』読んで、『ゴーレム100』にとりかからなきゃ!<結局まだなのかよ

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ゴーレム降臨に備えて

 まだゴーレム100を手にしていないが、降臨に備え『虎よ、虎よ!』を再読。いやこの暴走暴発の名作には今更ながら驚かされる。まずは復讐譚というフォーマット自体が盛り上がるし、金持ち文化の悪趣味ぶりやら意外とスクリューボールコメディっぽい演出やら結構サーヴィスもヴァラエティに富んでいるとも感じた。それにしてもベスター特有の疾走感というか加速感はいったいどのような発想から生まれたのだろう。物語は終盤トンでもない彼方までイってしまうのだが、ゴーレム100にはその先が描かれるのだろうか。いやいや楽しみになってきた。

※追記 2008 2/22『虎よ、虎よ!』の新装版がでることになったようです

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